Hidden Charms CD

Hidden Charms CD-Mix Vol.5
Hidden Charms CD-Mix Vol.4
Teenage Babylon Vol.35 CD

 Kazzy Wheelman/Kazzmanこと佐藤和彦が主宰するイヴェント、Hidden Charmsで開催ごとに製作・発表しているコンピレーションCD。当店では取り扱い当初からコンスタントに売れ続けている、言うなればベストセラーな商品だ。

 このブログの読んでいる方はガレージ系ファンも多いだろうから、Kazの略歴と紹介は省かせていただく。Hidden Charmsも発足して1周年を迎え、既にCDにして5巻分が出揃った。以前彼がオーガナイズしていたTeenage Babylonは驚くなかれ、トータルで39作ものCDが作られた。多少の再選、オーヴァーラップはあるものの、毎回毎回入念に選曲し、一枚の編集盤をまとめ上げることがどれだけ大変なことか、コアな音楽ファンであればおのずとわかると思う。現在に至るまで並々ならぬ努力と情熱でもって札幌の音楽シーンを支えてきた男、そう形容するに相応しい人物だ。

 長期に渡ってイヴェントを継続し、同時に絶えずCDを配布しているだけでも尊敬に値するが、強調したいのはクオリティの高さの方にある。特にVol.30を超えた頃にはコンパイラーとしての道が極まり、名作が続々と誕生した。なかでもマイ・フェイヴァリットにあたるのがVol.35で、当初は何も期待せずになんの気無しに接していたのだが、気がつけばあれよあれよという間にKaz(後半はDan)ワールドに魅了され、選曲家としての技量に唸ったものである。国内のDJが製作したCDで、これほどまでにハマったのも稀な話だ。

 ここで敢えてはっきり言うが、Kazはあまり高額アイテムに手を出さないタイプのセレクターである。安くて良い素材をどっかかしらから探してきて、自分のモノにするのを得意としている。そうした音楽やDJに対する独自の観点も彼の個性といえるし、レア盤追従型のコレクターやDJに対するアンチ・テーゼとも解釈出来る。また、他方で流行っている~クラブヒットしているから真似して取り入れる、みたいなことも一切しない。彼にしてみればそんなことアホらしくてやってられないのだろう。自分を信じられるだけの、独自の「耳」を持っているからだ。

 Kazも凄いが、彼の下に集まってきたDJ勢も同様に強力なのだ。それが一人や二人のレヴェルではなく、質の高いセレクターが多数存在し、幾人かは既に地元から離れて東京や大阪で活躍している。なんで札幌、北海道のシーンにはこんなに優れた表現者が多いのか? 特別な磁場でもあるのか? スープカレーとジンギスカンばかり食べているからか? ロイスのチョコか? 興味は尽きない。

 その昔、Kazは地元について思いっきり豪語した。「札幌は日本のピッツバーグですよ」と。

 そんなこと堂々と言って退けるだけでも大した根性だな~と苦笑いしたものだが、今となっては真実味を帯びて自分の耳に響く。札幌のシーンは未だ自分にとって「となりの芝生」なのだ。

 といわけでCDの方、どれもおすすめです。まだの方はお試しに如何でしょうか?


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